栄養の知識

脂質は良質なものを選ぼう

脂質は大きく2つに分類されます。

一つは常温では固形の飽和脂肪酸で肉類や乳製品などの脂(fat)、ラードやヘット、バターなどです。

もう一つは常温では液体の不飽和脂肪酸で植物性の油(oil)、オリーブオイルやキャノーラ油、ごま油やエゴマ油、そして魚類の油です。

これらの脂と油の摂取比率は3対7程度が理想的と言われていて、バランスが大切です。

肉類の脂肪である飽和脂肪酸は摂りすぎるとコレステロールや中性脂肪を増やしますので、よく言われるように控えめにする必要がありますが、コレステロールや中性脂肪値を気にするあまり、極端に肉や乳製品の摂取を控えるのはよくありません。

一般に中高年以降は肉類を控える方が多いのですが、少なくとも1日に1食はいろいろな種類の肉類を食卓に並べるようにしたいものです。

一方、植物性脂肪であるオリーブオイルには抗酸化物質やビタミンが豊富に含まれていて、コレステロールを下げる働きがあります。

不飽和脂肪酸は酸化しやすいのが欠点ですが、オリーブオイルは比較的熱に強く、酸化しにくいので積極的に料理に使用しましょう。

ごま油も熱に強いので、炒め物や揚げ物にピッタリの油です。

ひまわり油やサフラワー油(べにばな油)は80年代頃までリノール酸が豊富で血中コレステロールを減少させる油として健康に良い油として推奨されていましたが、過剰摂取はアレルギーや心臓病の原因となることがわかってきました。

摂りすぎには注意したい油です。

また、魚の油、特に青魚に豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は動脈硬化の予防や視力回復、アレルギー体質改善、脳細胞を活性化して学習能力向上や認知症の予防、改善効果があり、まさにオリーブオイルとともに「アンチエイジングオイル」とも言える素晴らしい脂質なのです。

英国の王立脳栄養科学研究所は、日本人の子供のIQが高い理由の一つとして、魚を食べる習慣を挙げています。

しかし、肉類主体の最近の子供たちの食生活は、このような誇らしい国際的評価を過去のものにしつつあると考えていいでしょう。

植物性にもかかわらず、肉の脂と同じ飽和脂肪酸の含有量が多く、良質とは言えない油を使っているカップ麺やスナック菓子、変質しずらいように人工的操作を加えて作られたトランス脂肪酸を含むマーガリンやショートニング、そして揚げ油も何度も使ったものは体の酸化をすすめるので注意しましょう。

天然の脂質とは言えない人工的な油のトランス脂肪酸はファストフードやスナック菓子に多く使用されており、欧米では規制が厳しく製造や販売を禁止しているところが増えています。

このように脂質といっても様々なものがあり、十分に注意して摂取する必要があります。

2015年5月23日|

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理想的な栄養バランス

PFCバランスを意識する

エイジングケアを意識するならカロリー控えめが食生活の基本であることを前回の記事でお話ししましたが、食事の内容には注意する必要があります。

それではどのような栄養バランスが望ましいのでしょうか。

栄養バランスというとビタミンやミネラルをたくさん摂取して脂質と糖質を控えることと考える方もいますが、そう単純なものではないのです。

まず、考えたいのがエネルギー源としての栄養素をどう摂取するのかを考えてみましょう。

精力的に勉強や仕事をこなし、趣味を楽しむためには体を動かすエネルギーが必要です。

人間のエネルギーの元は脂質、糖質、タンパク質ですが、この3つのエネルギー源のバランスに気を配ることが美容と健康にも大いに貢献します。

このバランスはPFCバランスと言って、P(protein タンパク質)、F(fat 脂質)、C(carbohydrate 炭水化物)のエネルギー比率を、Pが15から20%、Fが20から25%、Cが55から60%ほどがよいとされています。

しかし、太り気味の方やダイエットを意識する方なら、炭水化物と脂質の割合をこれよりも多少減らすくらいがちょうどよいという意見もあります。

各栄養素の1グラム当たりのエネルギー量は、タンパク質と炭水化物は4キロカロリー、脂質は9キロカロリーですので、例えば1日のエネルギー量が2,000キロカロリーの場合、PFCバランスをふまえて考えれば、タンパク質が300から400キロカロリー、脂質は400から500キロカロリー、炭水化物1100から1200キロカロリーになります。

外食中心の食生活を送っていると、このバランスが大きく崩れることが多くなります。

昼食にコンビニエンスストアの菓子パンを2個食べ、500ミリリットルのジュースを飲んだ場合、菓子パン1個で500キロカロリー前後となりますし、ジュースは500ミリリットルで200キロカロリー前後となり、これで1000キロカロリーを超えてしまいます。

さらに問題なのは、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が少なく、ケーキやクッキーと同じ糖分と脂肪分に偏ってしまいます。

しかも菓子パンに使用される脂肪は、バターやマーガリン、ショートニングなどの飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が主体です。

高カロリーである上に問題のある脂質を多く摂ってしまうので、これははっきり言って食事とは言えません。

市販の加工食品にはエネルギーをはじめ、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウムといった5項目を記載することとなっています。

賞味期限ばかりを気にするのではなく、栄養成分表示もしっかりとチェックしましょう。

2015年5月14日|

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